キャリアガイダンスとキャリアカウンセリング

皆様からよく質問をうける内容を整理してお伝えしていきたいと思います。
「キャリア・ガイダンス」と「キャリア・カウンセリング」です。
テキストにも過去問題集にも、この2つの言葉が出てきます。

キャリア・ガイダンスとキャリア・カウンセリングは何が違うのだろうと思ったことありませんか?

改めてキャリア・ガイダンスとキャリア・カウンセリングの定義を確認したいと思います。
定義はテキストより抜粋しています。

◆キャリア・ガイダンス
簡単にいうと、キャリアに対するガイダンス(指導・援助する)すること。
つまり、職業指導です。

1950年代までの定義としては、
「職業指導とは、個人が1つの職業を選び、それに向かう準備をし、それに入り、その中で進歩するを援助する過程である。将来の計画を立てキャリアを建設していく間に含まれる決定や選択-満足な職業適応を実現するのに必要な決定や選択-をなす個人を助けるのが、そのおもな仕事である。」

しかし、キャリア・ガイダンスの定義も時代とともに変化していきます。
1950年代後半にはキャリア・ガイダンスの再定義が行われ、スーパーが以下のように述べています。

「職業指導とは、個人が自分自身と働く世界における自分の役割とについて、統合されかた妥当な映像を発展させまた受容すること、この概念を現実に照らして吟味すること、および自分自身にとっても満足であり、社会にとっても利益であるように、自己概念を現実に転ずることを援助する過程である」

こうなってくると、キャリア・カウンセリングとの違いはあまりない感じです。

◆キャリア・カウンセリング
キャリア・カウンセリングは、キャリア・ガイダンスのプロセスにおいて行うカウンセリングです。
1960年代までは、キャリア・カウンセリングという呼び名はほとんどありませんでした。
職業指導、職業カウンセリングと同義として使われていました。

「職業からキャリアへ」という考えの流れの中で、キャリア・カウンセリングという言葉が頻繁に使われるようになっていきます。

1980年に入って定義されたキャリア・カウンセリングは以下の通り。
「職業およびキャリア・カウンセリングは、職業、キャリア、生涯のキャリア、キャリアに関する意思決定、キャリアの計画、そのほかのキャリアに関する諸問題やコンフリクトについて、資格のもつ専門家が、個人または集団にはたらきかけ、援助する諸活動である」

歴史的には、キャリア・ガイダンスが職業指導という定義の中で発展していき、その後、キャリア・カウンセリングというものに変化していったというように捉えるとわかりやいかと思います。