ただ話を聴いてくれるだけでいい

※2018年に書いた記事です。

カウンセラーとして仕事をして15年目。
その仕事に携わるほどに、自分の無力さを知ります。

それとともに、人はかわれる、きっかけはいつくるか分からないということを実感する今日このごろです。

輝いていて素晴らしくて、あの人には悩みなんてないんだろうと思っている人にも、人知れず抱えきれない悩みがあります。
もう毎日がしんどい、つらいとこぼしている人が、時折、なんともいえない笑顔を見せることもあります。
カウンセリングで自分がカウンセラーとしての無力感を感じていても、時に、相談者の方が
「聴いてくれる人がいてくれるっていいですね」
「こういう時間は心安まりますね」
「何も変わってはいないけれど心が軽くなりました」
そんな言葉をいって帰って行くことがあります。
相談者自身が自分のことを話すことで、自己開示することで、何かの扉が開くことがあるんだと、改めて、その素晴らしさを感じさせてくれるのは自分の技量や知識ではなく、相談者自らの力です。
カウンセリングの仕事の経験が多くなってきた今だからこそ、聴くことの難しさを実感しながらも、その素晴らしさにも気づく機会が増えている気がします。